田中圭一氏(マンガ家)
浦嶋嶺至氏(マンガ家)
いまざきいつき氏(かけだし3Dモデラー)
『カエル彼女』
うぐいすもち さん
9
本来シリアスな内容なのにコメディタッチで上手くデコレートしている、そのさじ加減に驚きました。笑いと感動のサンドイッチのような展開は見事です。光と影の使い方も効果的で、本当に面白かった。
9
カエル(になってしまった少女)を主役に据えて、コミPo!で漫画が保つの?と思ったら、数が非常に少ないカエルのポーズでしっかり主役の演技ができてる。すごいなぁカエル…じゃなくて、この作者の演出力が。
10
取りこぼしなく盛り込まれたアイデアが純粋に楽しく、バッタとの遭遇からはひたすら圧倒されたまま読み進めるのみ! 『もう…間に合わないのかな…』というアオリ構図も出色!絵作りも物語も最初から最後までお見事!
『はつこく。』
koht さん
9
主人公の心情がていねいに描かれている点、なにげない日常を流れる穏やかな空気、じつに良い雰囲気を持った作品ですね。主人公の先輩への想い、そして告白、その後の日常、誰もが経験したような初々しい日々を暖かく描ける力は、作者の人となりがにじみ出ているようで読後感もよかったです。
8
コマ割や科白、間の取り方が絶妙にいい。キャラの表情のつけ方も、まるで手描きしたの?というくらいハマってます。既製のソフトで人物の細やかな心理描写がここまでできるとは。コミPo!ではなく作者の腕の賜物。脱帽。
8
先輩の一言目からもう少女漫画。『先輩!』と呼び止める声のあと、ページをめくるとちょこんと佇んだ主人公。この絵、この展開、完璧でしょう。出てくるキャラ全てに好感が持てます。素敵な気分にしてもらいました。
『退魔師たちの夜』
時深彼方 さん
8
設定ストーリー展開が無理なく分かり易く説明されている点に作者の技術力を感じます。読者が飽きることなく読み進めることができる点も、地味ながら高い技術です。ただ、もう少し3人の性格付けを明確に色分けできていればよかったように思います。
7
キャラの描き分けって、髪型や絵柄じゃなく性格をいかに表現するか。そういう意味で本作は主要キャラの性格がしっかり描き分けられている。ちゃんとシリーズ化を見据えて作り込みされているから、続きを期待。
6
キャラ配置がうまく、大きな物語を組める作者です。ただ、巨大な敵の比較対象となるものがなく、スケール感が薄いのが残念でした。ラストバトルもあっさりし過ぎかも。もっと贅沢にページを使ってもよかったですね。
『GAKKOU NO TOKIKO SAN』
窓際ななみ さん
漫画絵としての完成度が非常に高く、このままどっかのホラーコミック誌に掲載されててもいいレベル。レイヤー数パネェ(笑)。ここまでコミPo! で表現ができるのか、と感嘆しました。見習わせていただきます。(浦嶋嶺至氏)
『俺が死にたくなる気持ちを察してくれ』
幻海山猫 さん
今回読んだ中で、いちばん特異な作品かも。「ノンフィクション」との説明だが、とすれば作者本人の人生こそ数奇。淡々とした描写がよりリアルさを増している。実体験漫画として発表し続けて欲しい。連作して単行本化して欲しいくらい。されたら買って読むよ。(浦嶋嶺至氏)
『夜桜とナリヒラ』
zsphereさん
台詞って、じつはキャラの「言いたいこと」を述べる手段ではない。それではただの『説明』。いかに「言いたいこと」が「うまく伝えられない」のか、そのもどかしさや葛藤を描くことが『表現する』ということなんだと思う。この作者はそれが解っている。和歌という「言葉」を語らせることで、「言葉にならない」想いが現れてくる、そんな深いレベルをもどかしくも作品に昇華できた良品だと思います。作者の今後のより深い成長が垣間見える一品。(浦嶋嶺至氏)