#・教室。
教師 「お~っカオルぅ。ここにいたのか
みんな待ってるぞ。早く来いよ。」
教室を見ていたカオル、振り返る。
カオル 「先生」
教師 「ん、どうした?」
カオル 「ボク、やっぱりやめるよ。」
教師 「バカ、なに言ってんだ今更ぁ」
カオル 「あの時、ボク、みんなに
あんな事、言っちゃったじゃん」
#・カオル回想。過去の学校。
花壇を踏み荒らす学生のカオル。
教師 「何してるんだ!カオル!
みんなで育てたバラを!」
学生のカオル「みんなバカしやがって!
今に見ていろ!ぜったいに
有名になってやるからな!
ボクはお前らとは違うんだ!」
教師と同級生たちに言い捨て走り去るカオル。
#・回想終わる。現代の学校。
カオル 「あれから学校を辞めて
この町を飛び出して
一度も帰ってないのに」
カオル 「こんな時に・・
こんな事になってから
帰って来るなんてさ
なんか違うじゃん」
教師の横を通り抜けるカオル。
カオル 「先生、ごめん」
教師 「カオル」
教師 「窓の外、見てみたか?」
カオル 「え?」
窓辺に立ち、手招きする教師。
教師 「来いよ。見てみろ。」
窓辺に寄るカオル。窓の外を見る。
花壇に薔薇の花がいっぱいに咲いている。
その周囲に、同級生たちが笑って立っている。
手を振る同級生たち。
同級生 「オオオッ!カオルだぁ!
おおおおい!」
教師 「あの花壇なぁ、あのあと、
あいつらで作り直したんだ。
作り直しながら話し合ってた。」
カオル 「え?何を?」
同級生 「カオル、ゴメンな!
俺たち、ホントは
やりたいことがあるお前が
羨ましかったんだよ!」
同級生 「ホント、あん時はごめんなぁ!」
同級生 「お前、やっぱりすげぇよ
夢を叶えちゃうんだもん」
同級生 「自慢なんだぜ!
俺、カオルと同級生だったこと!」
同級生 「頑張ってるよね!
いつも応援してるよ!」
同級生 「私も!」
同級生 「んんん~俺も。んん~」
同級生 「でも俺たちも今、地元で、
すっげぇ頑張ってんだぜ!」
同級生 「今日は頼むぜ!みんなを
元気づけてやってくれよ!」
カオル 「あ、ああ。ま、まかしとけ!」
同級生 「おい!あれあれ!」
同級生が広げる幕「お帰りカオル」とある。
教師 「こんな時だからこそ。
よく帰ってきてくれたな。」
万感の思いを込めて、
カオル 「……ただいま。」
終わる。
カオルが、男か女かは、会えて特定していません。
教師は一応、男性を仮定していますが女性に替えてもかまいません。同級生たちの設定も同様です。
カオルがどんな夢を叶えたのか、現在の状況もあえて説明していません。小道具や演出でそれを表現しても結構です。
台詞は一応、標準語で書いてありますが、効果的に方言も使っても良いと思います。
その他、解釈を変えても多少設定を変えてもOKです。
感動できる作品に仕上げてあれば、原作をプロット程度に考えていただいても問題ありません。
皆さんの良い作品をお待ちしています。